医療法人社団ファミック
石塚ファミリークリニック
web予約をする
TEL予約・お問合せ
0798-44-3315

西宮市の内科|石塚ファミリークリニック-腎臓病|腎臓病について

腎臓病
腎臓病について
石塚ファミリークリニックHOME腎臓病【腎臓病について】
慢性腎臓病(CKD)とは3ヶ月以上持続する尿異常(尿蛋白・血尿)、
腎形態異常または、腎機能が約60%未満まで低下した状態を言います。

慢性腎臓病・腎不全とは

慢性腎臓病(CKD)とは3ヶ月以上持続する尿異常(尿蛋白・血尿)、腎形態異常または、腎機能が約60%未満まで低下した状態を言います。腎機能が正常の60%未満に落ちると、表のような症状が出始め、進行性の腎機能低下があると考えられます。

正常の15%以下の腎機能となり、透析や移植が必要か、差し迫った状態を末期腎不全と言います。

CKDステージ
ステージ1~ステージ5それぞれの腎臓の働き、症状、治療法

腎臓病の症状

顔面の腫脹

顔面、下肢および腹部の腫脹は腎疾患によく認められる所見です。

腎疾患に伴う腫脹は、眼瞼から始まり特に朝に強く認められる事が特徴的です。 腎不全は腫脹の一般的で重要な原因の一つとなっています。

しかし、腎不全では必ずしも腫脹を認めないこともある事を留意しておいてください。

いくつかの 腎臓病(例えばネフローゼ症候群等)は腎機能正常でも腫脹を認めます。同様に、著明な腎機能障害があっても全く腫脹が認められない事があるという事を覚えておくとよいでしょう。

食思不振、悪心、嘔吐

食思不振、異味症、食事量低下は腎不全患者に共通して認められる症状の一つです。

腎機能障害が進行するにつれ尿毒素が増えるため、悪心、嘔吐、吃逆を認めるようになります。

血圧上昇—高血圧

腎不全患者の多くは高血圧です。

30歳以下の若年の高血圧や異常に高い血圧値であった場合、腎臓が原因であることがあります。

貧血と虚弱

全身の虚弱、易疲労、集中力低下、顔色不良は貧血(つまり低ヘモグロビン血症)の主症状です。時々、慢性腎不全の初期症状としてあらわれます。通常の治療法 に抵抗性の貧血の場合、腎不全を否定する必要があります。

不定愁訴

下背部痛、全身痛、掻痒感、下肢のつりは腎不全患者によく認められます。小児腎不全患者では成長障害、低身長、下肢長幹骨の変形も一般的に認められます。

腎臓病の症状
吐き気がしたり、吐いたりする
血圧が高い、息苦しい
めまいがする
イライラする
体がだるい
集中力がない
むくむ

腎疾患の診断

腎疾患の診断を進めるに当たり、詳細な現病歴の聴取、十分な身体所見や血圧等の所見の確認をし、
それから適切な検査をオーダーします。
定期的に行われる最も有用な検査 としては、尿検査や血液検査などがあります。
尿検査

腎臓病では尿検査が基本となります。外来で採尿する場合、朝一番の尿(早朝尿)を持参する場合がありますが、これで蛋白尿の程度が評価でき、そして尿沈査を顕微鏡で観察することで血尿の程度が評価できます。

また、1日の尿をすべて容器に貯めることを24時間蓄尿といいますが、尿量を正確に計り、その一部を試験管に入れ持参して検査すると、1日の尿蛋白排泄量、尿中アルブミン排泄量(糖尿病性の早期腎症発見に有用)、尿糖排泄量の他に腎機能検査(クレアチニン・クリアランス)を行なうことができ、しかも1日の塩分摂取量や蛋白摂取量を知ることができます。

尿一般検査

■単純かつ安価であり、非常に有用な検査です。

■尿検査での異常所見は重要な診断へのヒントとなりますが、尿検査が正常所見であっても腎疾患が否定出来るわけではありません。

尿蛋白は多種の腎疾患で陽性となるため、無視してはいけない所見です。すなわち、尿蛋白はCKD(慢性腎臓病)さらには 心疾患の最も早期に出る、そして唯一の警告となり得ます。

例えば、尿蛋白は糖尿病性腎症の最初のサインとしても現れます。

膿尿は尿路感染症の存在を示します。

蛋白尿尿中赤血球の存在は、炎症性腎疾患、すなわち糸球体腎炎の診断へのヒントとなります。

微量アルブミン尿測定

微量アルブミン尿は非常に少量の蛋白が尿中に排出されていることを示し、糖尿病性腎症の最も早期の所見となります。

この初期の段階であれば微量アルブミン尿は適切な治療によって正常化します。またこの段階では尿蛋白 (アルブミン)は一般尿検査では陰性です。

その他の尿検査

■24時間蓄尿での尿中アルブミン排泄

尿蛋白が陽性の患者では、24時間蓄尿が尿蛋白排泄量の測定のために必要となります。

この試験は疾患の重症度判定や尿蛋白排泄に対する治療効果判定に有用です。

■培養、感受性試験

この試験は48~72時間かかるが、 尿路感染症の起因菌や重症度、そして治療のための抗菌薬の選択に関する貴重な情報が得られます。

■好酸菌に関する尿検査

尿路における結核感染の診断に有用です。

血液検査

腎機能の簡便な指標として、血液中尿素窒素(BUN)や血清クレアチニンが測定されます。

腎臓病が進行すると腎性貧血や電解質異常が認められる場合があり、さらに高脂血症も腎障害を悪化させる要因と考えられていますので、定期的検査ではこれらの検査項目が併せて測定されます。

この他、腎臓病の原因疾患によっては経過をみる上で必要な検査があり、それらの項目も検査されます。

例えば、糖尿病の場合には血糖値やコントロール状態を知るためにヘモグロビンAICを、また膠原病に伴う腎障害の場合には自己抗体の抗体価や血清補体価を検査します。腎疾患の適切な診断には複数項目の血液検査が必須となります。

クレアチニン、尿素窒素

クレアチニンと尿素は共に腎臓を介して血中から取り除かれる排泄物であり、血中クレアチニン、尿素濃度は腎機能を反映します。

腎機能が低下すると、血中クレアチニン、 尿素濃度は共に上昇します。 血清クレアチニン濃度の標準値は 0.9~1.4 mg/dlで、血中尿素濃度の標準値は 20~40 mg/dlであり、値が高ければ高いほど腎障害の進展を示します。また、血中クレアチニン濃度は尿素濃度よりも腎機能の指標として信頼性が高いです。

ヘモグロビン

正常な腎臓はヘモグロビンを含む赤血球産生に重要です。ヘモグロビンが低値な状態は貧血と定義されますが、貧血は腎疾患の一般的かつ重要な徴候です。ところが、貧血は他の疾患でも比較的頻繁に生じるので、腎疾患の特異的な徴候とはいえません。

その他の血液検査

腎疾患患者で一般的に行われるその他の検査項目としては、血糖、血清蛋白、コレステロール、電解質(ナトリウム、カリウム、クロール)、カルシウム、リン、重炭酸塩、 ASO(抗ストレプトリジンO 抗体)価、補体価等が挙げられます。

腎機能検査

クレアチニン・クリアランス

いろいろな方法がありますが、24時間蓄尿を用いたクレアチニン・クリアランスが基本で、一般的です(ただし、1時間、2時間、4時間など決められた時間の尿を正確に採取し、クレアチニン・クリアランスを測定する場合もあります)。

クレアチニンクリアランスによってわかること

放射線検査

腎臓超音波検査

超音波検査は単純かつ有用、短時間で安全に行うことができ、腎臓サイズや嚢胞、結石、腫瘤の存在を確認できます。

また、超音波検査では尿流の途絶が腎臓、尿管、膀胱のどこで生じていても検出することができます。慢性腎不全患者の両腎のサイズは一般的に小さいです。

腹部レントゲン検査

尿路結石の診断に有益な検査です。

静脈性尿路造影(intra venous urography; IVU)

IVU (もしくは静脈性腎盂造影:intra venous pyelography; IVP)は特別なレントゲン検査です。この検査では、レントゲンフィルムで可視化されるヨード造影剤を上腕の静脈へ注射します。この造影剤は血流に乗り腎臓を介して尿中へ排泄されるため、腎臓や尿管、膀胱といった尿路がレントゲン検査において可視化されます。

一定間隔でレントゲンの連続写真を撮影することで、尿路全体の解剖および能構造の像が得られます。

IVUでは腎臓の結石や尿路閉塞腫瘍や構造・機能的奇形を検出できます。腎不全患者では、注入された造影剤によって低下している腎機能がさらに低下する可能性があるためIVUは推奨されません。

また、IVUを行ったとしても、試験中の造影剤排泄が不適切となり尿路を上手く可視化することができません。また、妊娠中にこの検査を行うことは避けるべきです。近年では、超音波検査やCT検査の有用性からIVUを施行する頻度は減少してきています。

排尿時膀胱尿道造影(voiding cystourethogram; VCUG)

VCUG(かつてはmicturating cystourethogram; MCUとして知られた)は小児における尿路感染症の評価に頻用されます。

この特別なレントゲン検査では無菌的に挿入されたカテーテルを通して造影剤を膀胱に満たします。

膀胱を造影剤で満たした後、カテーテルを抜去し、被検者に排尿を促します。

排尿時に一定間隔でレントゲン撮影を行うと、膀胱および尿道の輪郭が描写されます。

本検査は膀胱尿管逆流現象として知られる、尿の尿管や腎臓への逆流および膀胱や尿道の構造的奇形の診断に有用です。

その他の放射線検査

特定の腎疾患の診断のためには腎臓や尿路のCTスキャン、腎ドップラー、核医学検査、腎血管造影、順行性・逆行性腎盂造影等が非常に有用です。

特殊検査

腎生検とは

腎臓に限らずどんな臓器でも組織の一部を採り、顕微鏡などで詳しく組織診断する検査法があり、生検とかバイオプシーと呼んでいます。

尿や血液の検査や腎機能検査では、腎臓に「どの程度」の病変が生じているかは分かりますが、腎臓に「どんな」病変が生じているのかを調べることはできません。したがって、正しく診断し適切な治療方針を立てるためには、どうしても腎生検を行ない、「どんな病気で、どのようなタイプで、どの程度なのか」を知る必要があります。

腎生検は腎臓をX線ないしエコーで見ながら、背中から細い針を刺入し腎臓の組織小片を採取し、組織を検鏡することです。これにより腎疾患の種類の特定が可能となります。

腎生検は腎疾患の診断において非常に有用な検査です。

腎生検後には、腎臓からの出血を最小限に抑えるために安静を保持することが苦痛ですが、比較的安全な検査といえます。

詳細な病歴聴取や検査だけでは腎疾患の種類の特定は難しいことがあります。そのような例では、腎生検が診断を確定する唯一の手段となります。

■腎生検の有用性とは何でしょうか?

診断の困難な腎疾患では、腎生検で疾患の特定が可能となります。この情報を元に、腎臓専門医は適切な治療戦略を計画し、患者やその家族へ疾患の重症度や予後に関する説明を行うことが出来ます。

■腎生検はどのような技術で行われるのでしょうか?

最も一般的な方法は経皮的針生検で、空洞のある針を経皮的に腎臓へ刺入します。 また、あまり多くはありませんが、手術によって直視下に生検をする開放腎生検もあります。

腎生検のイメージイラスト

腎生検の流れ

腎生検の流れ-1手技への同意後に入院。

腎生検の流れ-2手技施行前に、血圧が正常で血液検査で正常な凝固能が保たれていることを確認します。アスピリン等の抗血小板薬等抗凝固薬を服用中の場合、生検1~2週前より内服を中止します。

腎生検の流れ-3腎臓の位置を確認し生検部位を決定するために超音波検査が使用されます。生検針の刺入部位は肋骨下の背筋近位で胴の上部に当たります。

腎生検の流れ-4被験者はうつぶせになり、 枕やタオル等を腹部の下に敷きます。
手技は完全覚醒下で行われますが、小児例の場合には麻酔下に施行します。

腎生検の流れ-5皮膚を適切に洗浄した後、 痛みを抑えるため生検部位を局所麻酔します。

腎生検の流れ-6空洞のある細い生検針を使用し、腎臓から2~3の糸状の小組織片を採取します。これらの検査サンプルを用い病理医により病理組織学的検査が行われます。

腎生検の流れ-7腎生検施行後、出血予防のため生検施行部位を圧迫します。患者さんは6~12時間の安静保持を指示され、通常は手技翌日に退院となります。

腎生検の流れ-8生検後2~4週間は 重労働や運動を避けるようにします。

いしづかファミリークリニックロゴマーク