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西宮市の内科|いしづかクリニック-腎臓病|主な腎臓の病気

腎臓病
主な腎臓の病気
いしづかクリニックHOME腎臓病【主な腎臓の病気】

腎臓内科医と泌尿器科医はどう違う。
「腎臓内科医」は内科の、「泌尿器科医」は外科の腎臓専門医です。

腎臓の病気は、2つに分類できます。

内科的疾患:腎不全、尿路感染やネフローゼ症候群のような内科的腎臓疾患は腎臓内科医により薬を使った治療が行われます。進行した腎不全の患者は透析や腎臓移植のような治療が必要になります。

外科的疾患:腎結石、前立腺に関する病気や尿路系の腫瘍は泌尿器科医師により手術、内視鏡、結石砕石術等の治療を行います。

一次性の腎臓病

急性腎炎症候群

扁桃腺炎や風邪などにかかった後、10日から3週間たって血尿や蛋白尿、高血圧、むくみ、尿量の減少、腎機能の低下などの症状で突然に発病します。

急速進行性腎炎症候群

急激に血尿、蛋白尿を呈し、腎機能の低下が出現し、しばしば尿量の低下や貧血を伴いつつ、数週から数ヶ月の経過で急速に腎機能障害が進行し尿毒症(末期腎不全)に至るものです。

反復性あるいは持続性血尿症候群(無症候性血尿・蛋白尿症候群)

持続性の血尿または蛋白尿、あるいはその両者が認められるが、むくみや高血圧などの症状、腎機能低下がないものです。

慢性腎炎症候群

蛋白尿や血尿が持続し、しばしば高血圧むくみとともに腎機能障害(低下)が緩徐に進行するものです。

ネフローゼ症候群

大量の蛋白尿(1日尿蛋白3.5g以上)が持続し、血液中の蛋白が減少し(低蛋白血症)、むくみを生じ、コレステロールの増加などを認めるものです。ネフローゼ症候群は大人より子供によく見られる腎臓病です。

最も一般的な症状はむくみ(浮腫)がたびたび起こることです。

この病気の特徴は尿中に蛋白が出ること(3.5g/日以上)、血清アルブミンが低下すること(低ア ルブミン血症)、コレステロールの上昇、血圧と腎機能は 正常であることです。

この病気は治療に良く反応します。治療終了後に症状が続く患者さんはほとんどいませんが、多くの場合再発します。このように治療して軽快するとしばらく無治療の期間があり、その後再発してむくみを生じるという再発のサイクルを繰り返すのがネフローゼ症候群の特徴です。

二次性の腎臓病

糖尿病性腎症

糖尿病の3大合併症の一つで、増加の傾向にあります。糖尿病のコントロ−ルが悪ければ腎臓の障害(腎症)は必発で、腎機能の低下が進みます。長期にわたる糖尿病状態では、高血糖の持続が腎臓における微小血管を傷害します。この傷害はまず尿中蛋白排泄の増加をもたらし、その後、高血圧や浮腫、腎機能低下に伴う症状の原因となります。

最終的には、進行性に悪化し、重度の腎機能障害(末期腎不全)を引き起こすことになります。この糖尿病に関連した腎臓領域の全問題を糖尿病性腎症としています。糖尿病性腎症の発症には長い年月が必要であり、10年以内の発症は稀です。糖尿病性腎症の兆候は1 型糖尿病発症後15~20年後に出現します。

下記のような危険因子が同定されています。

• 20 歳までに発症した1 型糖尿病

• 血糖の管理不良(HbA1c の高値)

• 血圧の管理不良

• 糖尿病ならびに慢性腎臓病の家族歴

• 糖尿病性網膜症、糖尿病神経障害

• 蛋白尿の存在、肥満、喫煙、脂質異常症

糖尿病の三大合併症
・網膜症・腎症・神経障害

 

尿検査での蛋白尿の測定、血液検査でのクレアチニン値(eGFR)の測定が最も大切な検査です。早期の糖尿病性腎症検出のための最も理想的な検査は微量アルブミン尿の測定です。

次に良いとされる検査は尿試験紙によるアルブミン尿の検出です。これにより顕性蛋白尿を検出できます。

クレアチニン値(eGFR)の測定により腎機能を評価することができ、糖尿病性腎症の進行期(多くは顕性蛋白尿出現後に)に上昇します。

■微量アルブミン尿・顕性アルブミン尿とは

アルブミン尿とは尿中に検出されるアルブミン(蛋白質の一つ)です。

微量アルブミン尿は少量の尿中アルブミン排泄(30-300 mg/day)を意味し、通常の尿試験紙法では検出できず、特殊な検査を必要とします。

顕性アルブミン尿は大量の尿アルブミン排泄(300 mg/日以上)を意味し、通常の尿試験紙法で検出可能となります。

 

ループス腎炎

膠原病は、自己免疫疾患の一つで、全身の臓器を侵し、多種多様な症状を呈します。その中でもっとも多いのが全身性エリテマトーデス(SLE、ループス)で、その腎障害をいいます。

紫斑病性腎炎

子供に多く、下肢を中心に細かい皮下出血を認める紫斑病の経過中に、発熱、尿の異常(血尿が主で、蛋白尿は軽微)、消化管の異常(腹痛、下痢、下血)を認めるものです。

腎硬化症

高血圧による腎臓の障害で、高血圧のコントロールがまずければ腎臓が次第にかたく小さくなり、腎機能が低下していきます。

痛風腎

痛風(高尿酸血症)患者において、腎臓の中に尿酸塩が沈着し腎障害をきたした場合をいいます。

糖尿病性腎症病期分類(改訂)
慢性腎臓病(CKD)重症度分類

その他腎臓病

多発性のう胞腎

両側の腎臓に、多発性にのう胞が生じ腎実質が圧迫され腎機能が進行性に低下し、末期腎不全に至る遺伝性の腎臓病です。

慢性腎盂腎炎

腎孟、腎杯、ならびに腎実質の慢性の細菌感染症です。

妊娠中毒症による腎症

妊娠は腎臓にさまざまな影響をもたらすため、蛋白尿、高血圧、むくみなどの中毒症のサインに注意が要ります。

逆流性腎症

尿菅と膀胱の間には尿が逆流しないよう防止機構がありますが、それに異常があると、尿が膀胱から尿管や腎臓に逆流するため、小児期に反復する尿路感染症や排尿異常を認めるようになります。

尿路感染

尿路感染(urinary tract infection, UTI)の一般的な症状にはトイレに何度も行きたくなる排尿時の痛み下腹部の痛み発熱等があります。

尿検査で白血球(膿細胞)があると、尿路感染を疑います。

ほとんどの尿路感染患者は抗生剤治療により良くなります。ただ、子供の尿路感染は特別な注意が必要です。なぜならば子供の尿路感染の治療が遅れ治療が不十分だと、成長期の腎臓に元に戻らない損傷を与える可能性があるからです。尿路感染が何度も繰り返す場合は、検査で尿路閉塞、結石性疾患、尿路の異常、陰部・尿路結核がないかを検査することが重要です。子供が尿路感染を繰り返す場合、膀胱尿管逆流現象を考えなければいけません。膀胱尿管逆流現象は膀胱から一方あるいは両方の尿管を通って腎臓まで尿が逆流する先天性の異常です。

腎・尿路結石

腎・尿路結石はよくある重要な腎臓の病気です。

結石は腎臓、尿管、膀胱によく発生します。

腎・尿路結石の共通の症状は、重度で耐えられないほどの痛み吐き気嘔吐血尿等です。

しかし、たとえ長期間にわたり腎・尿路結石があっても全く何の症状もない人もいます(無症状結石)。

腎・尿路結石の診断に最も重要な検査は、腹部X線写真と超音波検査です。

小さい結石のほとんどは多量の水分の摂取により尿と一 緒に自然に排泄されます。もし結石が繰り返しひどい痛み、反復性の感染、尿路の閉塞、あるいは腎臓の傷害を起こす場合は、結石を取り除く治療が必要になります。結石の除去に一番良い治療方法は、結石のサイズ、場所、そして結石のタイプにより決まります。

最も一般的な方法は砕石術内視鏡(経皮的腎切石術、膀胱鏡と尿管膀胱鏡)、そして外科的開腹術です。

結石の再発率は50~80%と高いので、 結石患者はたくさんの水分取ること、食事制限、定期的な検査が必要です。

尿路結石イメージイラスト

慢性腎臓病(CKD)

数か月から数年にわたり徐々に腎機能が失われて元に戻らない状態を慢性腎臓病(chronic kidney disease, CKD)といいます。

CKD では腎機能はゆっくり連続的に低下します。

長時間かけて腎機能がほぼなくなる段階まで低下します。この命に関わる段階にまで進行した状態が末期腎不全( End stage kidney disease, ESKD/End stage renal isease, ESRD)です。

 

慢性腎不全は静かに進行するためしばしば気づかれませ ん。

初期のCKDでは他覚的所見や自覚症状はほとんどあり ません

CKD に共通する自覚症状として疲れやすい、食欲がない、嘔気、発汗、高血圧等があげられます。

CKDの原因として最も重要なものは糖尿病高血圧です。

尿検査の尿蛋白陽性、血液検査のクレアチニン高値、および超音波検査で萎縮した腎臓を認めることは慢性腎臓病の診断の上で最も重要です。

血清クレアチニンは腎不全の重症度を反映し、病気の進行とともに徐々に上昇します。

CKDの早期のステージでは、患者さんは適切な薬物治療と食事指導が必要です。この疾患を完全に元に戻す治療方法はありません。

治療の目的はCKDの重症度に関わらず、進行を遅らせて合併症を予防し、それによりできるだけ長い間患者さんを良い状態に保つことです。

病気のステージが進行(末期腎不全)すると、90%以上の腎機能は失われています(血清クレアチニンは通常 -10mg/dL以上です)。

このステージで唯一の治療は透析(血液透析・腹膜透析)と腎移植です。

透析では腎臓が機能しなくなり体内に蓄積した老廃物と余分な体液をろ過して除きます。透析は慢性腎臓病を根本的に治す方法ではありません。

進行した慢性腎臓病のステージ(末期腎不全、ESKD)では(腎臓移植が成功しない限り)一生定期的な透析治療が必要です。

透析には血液透析腹膜透析の二つの方法があります。

血液透析(Hemodialysis, HD)は最も広く行われている透析方法です。HDでは特殊な機械を使って老廃物、余分な体液と塩分が除かれます。

持続的携帯型腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis, CAPD)は機械を使わない別の透析方法であり、自宅や職場で行うことができます腎移植は最も効果的な選択肢であり、末期腎不全(進行し たステージの慢性腎臓病)を治癒する唯一の治療方法です。

CKDステージ1~5の腎臓の働きと症状、治療法

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