抗リウマチ薬は関節の原因である免疫の異常に作用して、
病気の進行を抑える働きがあります。
抗リウマチ薬は関節の原因である免疫の異常に作用して、
病気の進行を抑える働きがあります。
抗リウマチ薬は、現在の関節リウマチ治療の第一選択薬となっています。効果がでるまでに平均2~3ヶ月程度かかるために、
消炎鎮痛薬を併用することもあります。
また、長期間使用することにより効果が減弱する場合があります(エスケープ現象)。
効果が不十分な場合には複数の抗リウマチ薬を併用したり、他の抗リウマチ薬に切り替えたりすることがあります。
関節リウマチ治療において最も基本となる重要な薬(アンカードラッグ)です。高い継続率、骨破壊進行抑制効果、他の抗リウマチ薬や生物学的製剤との併用で高い有効性を示すことが世界中から報告されています。
予後不良因子を有する場合(高い疾患活動性、骨びらんの存在、関節外症状あり、リウマチ因子・抗CCP抗体陽性)や他の抗リウマチ薬が無効だった場合が適応となります。
メトトレキサートが使用できない場合(禁忌)は妊婦・授乳婦、骨髄抑制、慢性肝疾患、腎障害、活動性結核、本剤への過敏症の既往、胸水・腹水を有する患者さんです。このため投与前にスクリーニング検査を行うことは非常に大切です。
1週間に6mg(3錠)~8mg(4錠)から内服開始することが多いです。
内服方法に特徴があり、週1~2回に分けて内服します。
効果発現は早ければ2週間、遅くとも4~8週間で見られます。
メトトレキサートの量を増やすと頻度・程度の増すもの(用量依存性の副作用)と、量に関係なく発生する可能性のあるものがあります。
前者には、口内炎、嘔気などの消化器症状、肝酵素上昇、脱毛、骨髄(造血)障害、日和見感染症があります。
後者には間質性肺炎があります。このうち、頻度は低いですが重篤な副作用として骨髄障害や間質性肺炎が挙げられ、急速に増悪し致命的になる場合もあるため注意が必要です。
他にも、頻度は低いですが、B型肝炎の再活性化やリンパ増殖性疾患などが知られています。
メトトレキサート8mg/週程度以上では、用量依存性の副作用を予防するために葉酸5mg~20mg程度をメトトレキサート最終内服の翌々日に週1回内服します。
葉酸を含むサプリメントや青汁などの健康食品を使用している患者さんはメトトレキサートの効きが弱まることがあり、サプリメント中止の検討が必要です。
比較的早期で軽症〜中等症の患者さんに有用性があります。
また副作用や合併症などによりメトトレキサートが使用できない患者さんにも第一選択薬となります。
通常250〜500mgを朝夕食後2回(計500〜1000mg)投与します。
海外では3000mgまで使用されることもあります。
効果発現は1~2ヶ月と比較的早いことが特徴です。
軽微なものも含めると20~30%の患者さんに出現し、開始してから1ヶ月以内に生じることが多いです。
皮疹、発熱が多く、肝機能障害、消化管障害、日光過敏症、血球減少症を認めることもあります。
サリチル酸が含まれるため、気管支喘息の患者さんは注意が必要です。
我が国で開発された抗リウマチ薬です。
サラゾスルファピリジン同様、比較的早期で軽症~中等症の患者さんに有用性があります。
1日50~100mgから開始し、最大300mgまで増量可能ですが、通常は1日100~200mgで使用されます。
効果発現は1~3ヶ月程度です。
発現頻度の高い副作用としては消化器症状や口内炎、味覚異常、皮疹、爪の変色(黄色など)があります。
他にも、肝機能障害、間質性肺炎、腎障害などがあります。
このうち特に注意しなければならない副作用は腎障害(蛋白尿、ネフローゼ症候群)です。
定期的な尿検査を行うことが必要で、特に蛋白尿が出現した際には速やかに薬剤を中止することにより、多くの場合腎機能は速やかに改善します。
筑波山の土壌にすむ放線菌から発見され我が国で開発された免疫抑制薬です。臓器移植時の免疫抑制に対して中心的な役割を担っていますが、2005年に関節リウマチへの適応が認められました。
血中の濃度測定が保険適応になっており、夕食後に内服した後の、日中の診察前の血中濃度(一日の変動の中で一番低い値:トラフ値)が5~10 ng/mlが有効域とされています。
腎機能障害、耐糖能異常、消化管障害(下痢、嘔気、腹痛)、血圧上昇などです。プログラフを内服時には他薬剤(シクロスポリン、ボセンタン、スピロノラクトン、トリアムテレンなど)やグレープフルーツなどの食べ物との併用には注意が必要となる場合があります。
1971年に八丈島の土壌より単離された糸状菌の培養濾液中から発見された免疫抑制薬です。腎機能障害や間質性肺炎があり、メトトレキサートを使用できない患者さんにおいても使用することができます。
1日3回に分けて飲むよりも1回で飲む方が血中濃度が高まり効き目が良いことがあります。メトトレキサートと比べると効果は弱いですが比較的安全な薬剤です。
日本で開発され、2012年に承認された薬です。
1日に25mgから開始し、4週間投与後に1日50mgに増量します。
単独でサラゾスルファピリジンと同等の有効性を有し、メトトレキサート効果不十分な場合に追加併用効果があります。
肝機能障害やリンパ球減少です。
ワルファリンとの併用で重篤な出血をきたす可能性があり、併用できません。
メトトレキサートとほぼ同等の抗リウマチ作用があり、海外ではメトトレキサートの次に多く使用されている抗リウマチ薬です。
下痢、皮疹、肝機能障害、高血圧症などがありますが、日本に導入されてから薬剤性間質性肺炎の報告があり、慎重に使用されています。
最も古くから使用されている抗リウマチ薬ですが、現在はあまり使用されていません。
皮疹、口内炎、腎機能障害が多いです。