身体機能が低下し、通院が困難な患者さんに自宅で医療を提供することができます。
「住み慣れた自分の家で療養したい」「できれば最後までの日々は、思い出の深いわが家で自分らしく過ごしたい」在宅医療は、そのような患者さんの想い、ご家族の想いから始まります。在宅医療では、このように思われている患者さんやご家族の想いに寄り添い、お手伝いします。
一方で、自宅での療養生活にはどのような準備が必要なのか、夜間に容体が急変した場合はどうすればよいのか、自宅でしっかりした医療が受けられるのかなど、さまざまな不安を感じられる方も多いのではないでしょうか。当院では、在宅療養支援診療所として、このような患者さんやご家族の想いを受け、地域の訪問看護ステーション、介護事務所、病院と連携し、医師の他、看護師、薬剤師、理学療法士などの医療従事者が、24時間対応を受け、患者さんの療養生活をサポートします。
【在宅療養支援診療所】
自宅療養される方のために、その地域で主たる責任をもってあたる診療所のことです。
地方厚生(支)局長に届出て認可される施設基準を満たした病院、医院です。
まずは、ご本人やご家族のどのような希望があるかを伺います。誰にとっても、たった一度の人生です。抱えているご事情は、その人や家族によって全く異なるのですから、わがままと思わず、できるわけないと諦めずに、希望があればお伝えください。
「旅行や温泉に行きたい」「遠くの身内に会いたい」「おにぎりが食べたい」など、どうぞご相談ください。
自分で様々なことを決めたり、できることを増やしていけるようにお手伝いしていきます。
在宅での支援
と安心した生活
住み慣れた家には不思議な癒しの力があります。自分のリズムで寝起きし、好きな食事をして、趣味も行い、家族の笑い声の中で生活する。自分らしい普段の生活に精神的な癒しがあります。
ご本人の生活が豊かになることを積極的にお手伝いします。普段は自宅での生活に満足していても、何かあったときの不安は大きなものです。また、安心した生活は、なにかのあった時の対応が必要です。ご病気の管理や処方に加え、必要に応じて採血、注射、点滴など医療処置をできるだけ自宅で行います。
そして、急な容体の変化に対しては、すぐに駆けつけられるチーム体制を作って対応します。
ご本人やご家族がどんな支援を必要としているのか、病院で多くのスタッフが患者さんを治療するように、ご自宅でも多くの方の支援が必要です。
私たちは、医師、看護師、介護士、各種療法士、ケアマネージャーなどのケアチームと密接な連携をし、患者さんに必要なことを常に考えながら、実践していきたいと思っております。
■入院、通院が困難な患者さんの自宅や施設*1)などに、医師が定期的に訪問し診察や検査、薬の処方、予防的な指導を行います。
通常は、2週間に1回で、患者さんの状態に応じて週1回、それ以上も可能です。
*1) 在宅医療を提供できるのは、サービス付き高齢者向け住宅、認知症高齢者グループホーム、有料老人ホーム、高齢者住宅や自宅などの普段生活している場所に限られます。
■病気が急に悪くなった場合などに、夜間、休日を問わず24時間対応します。
■訪問看護ステーション、ケアマネージャー、福祉サービスなどと連携を密にとっていきます。また、病院にかかり続けながら、並行して在宅医療を受ける場合も在宅医療で受けた検査、処方薬、治療内容など病院主治医に報告しながら連携を密にとっていきます。
■緊急入院が必要な場合、連携医療機関や希望される病院への緊急受け入れ体制を可能としております。
■脳梗塞などで身体機能が低下した方
■神経難病や肺疾患などで呼吸器管理を必要とする方
■外来でがん治療を行っている方
■がん末期で痛みのケアを必要とする方
■排尿や排出の医療的管理を必要とする方
■認知症の方
■高齢で虚弱となり通院困難で治療を自宅で受けたい方
※通院困難な患者さんであれば、病気や障害の種類に関係なくご相談ください
■持続点滴(中心静脈栄養) ■注射 ■関節内注射(肩、膝、腰) ■外科縫合 ■創処置 ■胃瘻 ■気管切開 |
■在宅酸素 ■在宅人工呼吸器 ■褥瘡 ■人工肛門 ■膀胱瘻 ■尿カテーテル ■麻薬コントロール(内服、注射、持続皮下注射PCA) ■在宅自己注射(インスリン、生物学的製剤、エリスロポイエチン) |
西宮市、芦屋市、尼崎市、宝塚市、神戸市の一部の当院から車で概ね30分の地域
■訪問日:定期訪問(月2回)は決まった曜日に訪問します。但し、病状により訪問回数は増減します。
■訪問時間:平日:13:00~15:30、土・日:14:00~16:00(当院外来の午前診療終了後から午後診療前に伺います。)
■急変時:連絡を受け病状に応じて往診。
在宅医療にかかる費用は、各種医療保険が適応され、入院、通院時と同じ負担割合になります。
負担割合 | 標準負担額 | 標準負担上限額 | |
前期高齢者 後期高齢者 |
1割・2割 | 18,000円 | 57,600円 |
3割 | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 252,600円+(医療費-842,000円)×1% | |
一般 | 3割 | 一定の負担額を超える場合、 高額医療費制度による返還が適用されます。 |
■公費負担を受けている方は、医療費は公費でまかなわれます。
■特定疾患受給者証をお持ちの方の自己負担額は、受給者証に記載された限度額になります。
■重度障害者医療証をお持ちの方の自己負担は1日当たり600円以内(最大1,200円/月)。ただし収入により異なります。
包括医療(月単位)となるため、翌月(10日過ぎ)に請求書を郵送いたします。
請求書の確認後に、直接来院され窓口にてお支払いいただくか、翌月の往診時に先生にお渡しいただくようお願いします。
当院規定の封筒をご使用ください。
診療明細内容のご質問や振り込みを希望される方は、受付までご遠慮なくお申し出下さい。