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西宮市の内科|いしづかクリニック-院長ブログ|01(創刊号)今を生きる中で

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院長ブログを開設しました

当クリニック院長 石塚俊二が医療を中心に情報発信
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01(創刊号)今を生きる中で

院長ブログ01(創刊号)今を生きる中で今回、当院にてブログを開設することにいたしました。

新型コロナウイルスの猛威が各国を覆っており、厳戒態勢の中で世界のすべての医療従事者が全身全霊をかけて患者さんの命を救おうとしている状況であります。私も医療従事者であり、町の開業医としてどのような責任と役割を社会に果たせるか重要な岐路に立っていると毎日を実感しております。

 

医師になり約30年となりますが、このような感染症に対峙するのは初めての経験であり、今をどのように受け止め、どのように診療すればよいか困惑することもあります。また、この病気がどのような臨床症状であり、その経過など疾患の本質が明らかでないことにはがゆさも感じております。

4月に国の緊急事態宣言が発令され、以後、受診する患者さんの不安をひしひしと感じながら診察するような場面に出くわすこともあり、未知の病気の恐怖がいかに人々の心の中に染み込んでいるかをより強く受け止めるようになっております。このため、微力の自分が診察の中で、できることは何かと考えました。感染予防はもちろんではありますが、診察の心構えとして、この1ヵ月は、診察中のお互いの会話で気持ちがより元気になってもらうことを念頭に置き診察することを心掛けることに力を注ぐようにしました。

 

診察室の中で、お持ちである基礎疾患の治療に加え、患者さんとできるだけ楽しい話題を共有して、診察終了までに患者さんが笑ってもらえることも自分自身の目標としました。このため、病気以外の日常生活や趣味、仕事の中で興味があることに耳を傾け、患者さんに笑みや笑い声でれば、“オッケー”としています。そうなると、私自身も楽しくなることを実感します。できなかったときは、メモにそっと印をつけて次回の目標にしています。

“ステイホーム”は必要不可欠ですが、反面、この強制が日常を抑え、精神的にも基礎疾患にも影響を与えることがあるように思います。このため、対面診察でお互いの顔を見て、傾聴することよって“人とのつながり”“心の寄り添い”を再確認できる診察を心がけています。

 

先日、ある患者さんが、診察の終わりに歌手の沢田研二(通称ジュリー)の大ファンでよくコンサートに行っていたと言われていました。私の姉もファンでありジュリーの曲はよく知っているので、どの曲が一番好きかでお互いに盛り上がりました。些細なことで、短時間ですが互いに非常に楽しい時間でした。このように、“日常でいられる”ということがいかに幸せであるか痛感する数か月でした。

未知の病気の恐怖心に惑わされることなく、日常の診察で、自分の病状を気兼ねなく訴えられることが重要で、その方向に導いていけるように診察することが、現在の私のすべき事の一つとも考えます。

実際、発熱や感冒症状、感染症の患者さんにも、元気が与えられるように、“平静と楽しさ”の診察を目指していきたいと考えています。

 

私自身、この新型コロナウイルス感染症の拡大によって、病院やクリニックの医療体制の急激な変化、また、この映画を見ているような現象が現実社会で起こっていることに対して医療への気持ちがふさぎ、心が沈みこむようなこともありましたが、先日、患者さんから“今、医療機関は大変だけど私も頑張るから、先生も頑張って”と歩行が非常に困難で杖を一生懸命用いている高齢の方から励ましの声をいただきました。

正直、心から嬉しかったと同時に自分にできる医療は、“すべてやるぞ”という気持ちになりました。

 

今回、ブログを立ち上げたのも、現在の気持ちを表し、日常を取り戻すために患者さんと共に前に進んでいく決意の一環でもあります。

今後、当院から医療を中心に情報発信し、地域の皆さんが元気になるようにお手伝いできればと思っております。

著者:いしづかクリニック 
院長 石塚 俊二

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