医療法人社団ファミック
いしづかクリニック
web予約をする
TEL予約・お問合せ
0798-44-3315

西宮市の内科|いしづかクリニック-院長ブログ|42サウナ道を究める

院長ブログ
いしづかクリニックHOME院長ブログ一覧42 サウナ道を究める

院長ブログ

当クリニック院長 石塚俊二が医療を中心に情報発信
一覧ページを見る

42 サウナ道を究める

ストレスの開放は人によってそれぞれ違うと思うが、最近、私はサウナに行くことでストレスを発散している。
今まであまりサウナに注目することはなかったが、2年前に同級生と食事をした時に教えてもらって以来、正直かなりはまっている。初めは半信半疑で体験し、水風呂なんてとんでもないと思っていたが、最近、どんなに忙しくても必ず週1、2回は行くようにしている。何故、サウナにはまったか、いくつかの理由が自分なりにあります。
サウナのイメージまず、【1】一人で行えることである。午後の診察後に自宅に帰る前や土曜日午後の往診が終了し、すべての仕事が終わったとき、また、日曜日の早朝など、やはり自分の時間と都合でいつでも思いたったときにいつでも簡単に行くことができるのは便利だと感じる。
【2】近くにサウナの場所がたくさんある。近郊にいても外出先でも必ずサウナの場所があり探すのに困らない。なんと全国で9600箇所もあるそうで、なかでも“サウナイキタイ (sauna-ikitai.com)”というアプリは有用でいつも使って探している。沢山の施設紹介があるので、次にどこに行こうかとアプリで探し、お気に入りの場所を見つけるのも楽しい。
【3】純粋に気持ちいい。サウナが終わった後はなんか頭も心もポーとした気分になり穏やかな気持ちと時間を過ごすことができる。
【4】比較的安価で体験できる。食事や時々するゴルフも色々な人と話し楽しい時間でもあるが、やはり時間も費用もそれなりにかかる。安価で一人の世界に入り誰とも話さず時間を堪能できるのはそれなりに楽しいと感じる。
このような理由もあり3年間程ずっと通いつづけている。
通っているとなぜサウナはこのような気持ちになれるのかを知りたくもなった。
例えば、サウナに入ると頭がすっきりする、雲の上にいるような感じ、地球に包まれているみたいな感覚など色々な言葉で表さわれるこの現象は医学的にどのようになっているのか調べてみるとすでに色々な研究がなされていることがわかった。
そのひとつに慶応義塾大学医学部腫瘍センタ-特任助教授で日本サウナ学会の代表理事である加藤容崇先生が、感覚でしか表現できなかった“ととのう”を医学的に紐解いたことで医師の間でも大きな反響を呼びました。
まず、“ととのう”というのはサウナ用語の一つで、“とてもきもちよくて、心身共に快調に感じられる状態”であり、人によって表現は様々であります。
私の場合は、サウナからでて座って目をつむると浮遊感を感じます。少し眠たいよう感覚ですが、意識は清明ではっきりしています。そしてサウナに入る前には気付かなかった風の音や匂いなど感覚が敏感になっているのを感じます。
これが“ととのう”とうい現象である捉えていますが、医学的には自律神経作用の一つと考えられているようです。
水風呂のイメージ人間の体にとっては、熱いサウナ室に入ることは“ストレス”です。
水風呂も同じで、冷たい水は人間にとって危機的な状況です。サウナにしても水風呂にしても、それ自体で“ととのう”訳ではなく、ストレスがかかった状況から解放されて初めて“ととのう”感覚が得られます。
では、解放されて“ととのう”というとそうではありません。その正体が自律神経とアドレナリンです。
自律神経は、興奮したり緊張したりするときに働く交感神経と、リラックスしたときに働く副交感神経に分かれています。
サウナ室に入って熱いと感じたり、水風呂に入って冷たいと感じたりすると、からだが興奮して交感神経が優位になります。そうすると体内でアドレナリンが分泌されます。
アドレナリンは戦うためのホルモンなので心拍数が増えて、脳の血管が収縮します。そのあと、外気浴を行うと体は危機を脱したと感じて、一気に副交感神経が優位な状態に傾きます。心拍数が減り、脳の血管が拡張し休息モードに切り替わります。
通常、副交感神経が優位になるとリラックスして眠くなります。
ところが“ととのった”状態では眠くありません。
神経の反応は早いので自律神経の切り替わりは素早く行われます。一方、ホルモンなどの伝達物質はいきなりなくなりません。肝臓で代謝されるなどして徐々に効果を失っていきます。このスピードの差が鍵です。
水風呂からでて休憩をする最初の2分間、自律神経は一足先に切り替わり、リラックスモードの副交感神経が優位になっているのに、血中にはまだ興奮物質であるアドレナリンが残っているとうい矛盾した状態が作り出されます。ある意味、体が“バグる”のです。
リラックスでととのうイメージイラスト体は究極にリラックスしているのに、意識はすっきりと晴れている。これが“ととのう”の正体です。
幸福感に包まれる、五感が研ぎ澄まされる、アイデアがひらめきやすくなるという方もいます。サウナ浴で一番気持ちよく感じるのがこの休憩で、サウナ室も水風呂もそのためにあると言っても過言ではありません。
このようにサウナの医学的な効果が近年明らかにされております。サウナによって脳疲労、集中力アップ、ひらえき、深睡眠や心臓病の血管障害や認知症などの神経疾患の予防や発症にも効果があると言われております。
私の場合はなによりも“ちょ-気持ちいい”感覚を得られるのが単純に嬉しいです。
さて次はどのサウナに行こうかなと一人の楽しみがまだまだ続きそうです。

 

令和6年2月:いしづかクリニック 
院長 石塚 俊二

いしづかファミリークリニックロゴマーク