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51 私のストレス解消法

一般的にストレスは体にとって悪影響であると言われています。
子供からお年寄りまですべての人が日々なんらかの形でストレスを受けています。仕事が忙しい、プレッシャーが強い、人間関係の悩みがあるなど、私たちは日々さまざまなストレスを感じながら生活を送っています。
”適度なストレス(緊張感)”は、モチベーションやエネルギーにつながり、生活に張りをもたらしますが、度を超えたストレスは、心身に悪影響を及ぼす可能性があります。
ストレス反応・ストレス刺激のイラストそもそも「ストレス」とは、物理学において「圧力」という意味で使われていた言葉です。
ストレスと聞くと、嫌なことやつらいことを連想するかもしれませんが、広義の「ストレス」には良い・悪いニュアンスはなく「外部からの刺激を受けて生じる緊張状態」のことを指します。
ストレスに対する身体の反応のことを「ストレス反応」、その反応を生じさせる刺激(ストレスの原因)のことを「ストレッサー」と呼びます。
ストレス状態は、風船に例えられることが多いです。この場合、膨らませた風船を押す力が「ストレッサー」、ストレッサーによって風船が歪んだ状態が「ストレス反応」です。
風船の状態によっては、押す力(ストレッサー)を跳ね返すこともできます。しかし、跳ね返す力が少ないと風船は歪んだ状態が続き、さらに継続的に力がかかれば徐々にしぼんでしまうでしょう。
つまり、同じようなストレスを感じても、その人の状態によって受ける影響の大きさは異なると言えます。

 

ストレスの原因となるものは、主に「物理的ストレッサー」「化学的ストレッサー」「生物(生理)的ストレッサー」「心理・社会的ストレッサー」の4つからなります。
例えば、物理的ストレッサーは騒音、気温や気圧の変化などであり、化学的ストレッサーは大気汚染、たばこ、香料など、生物学的ストレッサーは、コロナやインフルエンザのようなウイルス感染、病気、けが、疲労などであり、心理的・社会的ストレッサーは、家庭環境、職場環境、人間関係であり、現代のストレスで最も多いのがこの心理的・社会的要因の人間関係や仕事などである言われています。

 

医師という職業はストレスが多い職種とも言われています。

私も病院勤務の時に同僚、先輩、後輩の医師から“やる気がなくなった”“モチベーションを維持できない”や“燃え尽きた”などの言葉を耳にした経験があります。また、これらの耐えきれないストレスの為に転職や時には他の科に変更した医師もいました。
医師という職業は、人の不安や苦痛、生き死に直接かかわるものであり、患者さんが時として触れてほしくないことを、業務として伝えなければならないこともある。そして、その結果にも責任を持たなければならないという、極めてストレスが強いかかる仕事であります。
自分の持てる知識と技術を総動員して問題解決にあたり、不幸な結果に対しても正面から向き合うことが求められる。当然のことながら、患者さんから“なぜだ”“受け入れられない”との思いをぶつけられることもある。
特に、医師にストレスが多い理由として一つが医師の持つ特有のパーソナリティーがあるためとも言われています。
この中に(1)責任感が強い (2)完璧主義である (3)自力で問題を解決しようと努力するという、この3つの傾向があると言われており、私自身もよく当てはまると感じます。

 

医師のストレスも人間関係の原因が多いのですが、ではどのようにそのストレスを解消するか私なりの方法をご紹介します。すべての人に当てはるかはわかりませんが参考にしてください。
まず、(1)一人で考える:まず心が冷静になることが必要です。その為に一人になれる場所に行きます。
私の場合はサウナか自転車に乗っている時です。そして、ゆっくりとその事案を思い浮かべ、今度は相手と自分を入れ替えてその事案を考え、なぜ相手はそのような言動をしたのか、自分では知らない事情があるのか、想像できない何か原因があるのかなど、逆の立場ならどう考えたかを想像します。そうしていくと、人の立場によって感じ方が変わり、“物事はこうしなくてはいけない”という自分だけの思い込みが和らぎ相手への理解が深まり解決策が見えてくることが多くなります。

 

次に、(2)その物事より大きなことを考える:トラブルが起こればなぜその問題が惹起されたかと原因ばかりを追いがちです。トラブルを受け入れ、もっと大きなトラブルにならなくてよかった心を広く持つと、すべて許容し、許す気持ちにつながります。

 

最後は、(3)忘れるということ:これは無責任に物事を忘れるという意味ではなく、(1)と(2)を自分なりに精一杯に実践した次は、もうどうにでもなれと“神のみぞ知る”という気持ちで忘れるということにしています。
忘れるために趣味のゴルフや友達と食事会に行くこともあります。
こう考えるとストレスは悪いものと扱われがちですが、ストレスが全くない状態が良いのかといえば、そうとも言えません。「適度なストレス(緊張感)」 があると、それに適応するための能力が生まれます。
ストレスを乗り越えようと頑張ることで、人は成長し、達成の喜びを得られます。

 

ストレス解消色々イラストつまり“良いストレス”は、人生の張りや生きがいとなり得るものです。
大切なのは、自分の考え方や行動思考などを知っておくことで、ストレスが溜まりにくくなります。つい悪い方向に考えてしまう心のクセや思考パターンを、「認知の歪み」とも言います。
自身の“認知の歪み”を知っておくと、次に同じようなストレスを抱えた時に、「いつもの考え方のクセが出てしまっている。でも実際はきっと悪いことじゃないはず」などと捉えることができ、気持ちが楽になることもあります。また、ストレスを感じた時に、問題点や良くないことばかりに注目するのではなく、うまくいっていることに注意を向けたり、目指す状態にフォーカスしたりするのもよいでしょう。


ものの見方を少し変えてみるだけでも、ストレスが軽減される可能性があります。
湧き上がる自身の感情にとらわれず、自分が本当に大切にしたいことのために集中する「心理的柔軟性」を高めることも効果的です。
さあ、ストレスを受け入れ、自身の中で消化して日々の生活を楽しんでいきましょう。

 

令和6年11月:いしづかクリニック 
院長 石塚 俊二

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