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57 人は身勝手

自分の話ばかりする突然ですが、自分の周りに身勝手な人や考え方、また自身を身勝手な人間だと思った経験はありませんか。
“身勝手”とは他人の都合や迷惑を考えず、自分の都合や欲求だけを優先させる態度のことです。
自分勝手な人は自分の欲求にとても素直なので、周りのことは気にせず行動しがちです。時にはその身勝手な行動が優先されすぎるあまり、周りの人から、現代では“不思議ちゃん”と呼ぼれるようなこともあります。

 

私も、時々この人は身勝手だなと思うときもありますが、そのように思った自分も好きではないし、他の人が安易に発言する身勝手という言葉を受け入れるにも抵抗があります。一般的に身勝手な人には多くの特徴があると言われているので詳しく列挙してみます。

  1. 自分のやりたいことのみやる:自分勝手な人はとにかく自分が世界の中心です。人がそれを指摘すると“そう思っていましたのでやりました”とあくまでも自分は悪くないスタンスを貫きます。
  2. 思い通りにいかないと不機嫌になる:自分勝手な人の中で自分の意見は絶対で“自分の思い通りにしたい”という欲求がとても強いです。そのために意見を否定されたとか、賛成してもらえないとその欲求が満たされず、爆発して不機嫌になってしまうのです。
  3. 自分の話ばかりする:自分勝手な人は自分が話したいと思ったら止まりません。自分の経験や考え方にしか関心がありません。話を聞いてもらいたいとうい気持ち以上に、自分のことを語っていることに酔いしれます。
  4. 自分の考え方を他人に強要する:身勝手な人は自分の考え方が正しいと信じて疑いません。そのために自分の考え方を他人に強要してしまうこともしばしばあります。
  5. 他人の気持ちを考えることができない:他人の希望を考えずに行動し、発言が目立つので周りからはどんどん人がいなくなっていきます。
  6. 人には頼るが自分は頼られたくない:人には頼み事をするが自分に興味がない事を頼まれるときっぱり断ります。そして自分がしてもらったことはすぐに忘れますが、自分がしてあげたことはずっと覚えていていつまでも言ってこられます。
  7. 人によって態度を変える:これも特徴の一つです。自分勝手な人は“この人と仲良くしても意味がない”や“この人は自分より下だ”と判断した人には冷たくあしらい、“この人と仲良くするとメリットがありそう”とか“この人に好かれたい”と判断した人には優しくし、媚を売ります。つまり自分にとっての損得勘定で人との付き合いを判断します。
  8. 自分の非を認めない:自分の非を認めません。自分の考えが中心なので間違えるわけはないと考え、その非が数字や形に現れても自分に非があったと思わずに他の理由を探します。

 

このように人の身勝手の欠点をたくさん指摘しましたが、これだから身勝手な人と付き合うのは忍耐が必要であるとか距離を置くほうが良いとかいうことではないと思います。
極端なことを言えば上述した①~⑧の考え方や行動様式は誰にでもあるし、これぐらいの考えは良いのではないかと思う方が人付き合いやすくなります。むしろ自分にとってこの人は身勝手だなと考えてしまう気持ちになることのほうが鬱な気持ちになります。
それは何故か?このように人の身勝手さを感じた時に考えなければいけない大切な考え方を忘れているからです。それは、自分自身が相手や相手のコミュニケーションの中で想像力や読解力の欠如があるのではないかと心に染みてくるからです。
人を身勝手と固定する前に、もっと相手の“世界”や“世界観”を知ろうとする好奇心が必要なのではと思います。

 

例えば、数人と話した後に、ある人から他の人のことを“あの人はコミュニケーション能力がない”とか“あの人は自分勝手なことばり言ってまとめる気がない”とかを聴くことがしばしばありますが、それは本当にそうなのかといつも思います。
コミュニケーションにしても、そもそもコミュニケーションは関係性であり相互関係で成り立つもので相手だけに責任を問うものではないと思う。相手を“身勝手な人”と呼ぶ人は、その人の思考や行動様式を自分の世界観の中にマッピングできないことを露呈しているとも考えられ、自分自身が身勝手な人だと考えたことが恥ずかしくなる。言い換えれば“身勝手な人”という人こそ自身も身勝手な人であるということを、他の人から言われるかもしれないことを認識していないのだと思う。
簡単に“身勝手な人”だと思う人は天動説的な考え方で、自身の思考は動かないで周りの考えが動くべきであり、“私とそれ”というベクトルで物事をとらえている気がする。
本来は地動説的な考え方が必要で他者の考え方によって自分の思考や行動も動くべきであり“私とあなた”でなければいけないと思う。このように、すぐにあの人は身勝手だと決めつける考え方はある意味、排外主義を生むにつながる非常に怖い思考の1つでもあると思う。
自分に境界を作り、その外の世界はすべて自分以外とする考え方は、“日本人と外国人“や日本の仏教とキリスト教などそれ以外の宗教”や大人と子供の考え方“や”男と女“などの区別により差別社会の基礎にもつながりかねないと思う。正直、僕自身もしこのような考え方を持ちそうになる時もあり、その時は自戒の意味を込めていつも”相手の考えを自分の地図上でほんとうに理解できているか“ということを自身に問うようにしている。
人は皆、身勝手な生き物であることを理解し、許容しなければならないし、利己より利他の精神が人の幸福感が最も得られることを感じたいと思うから、今後もそのような行動に心掛けたい。

令和7年5月:いしづかクリニック 
院長 石塚 俊二

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